取引時間と各通貨の取引量から、FXを攻略する

目次

FXを知るには、取引時間の特徴と通貨の取引量を知ることが大事

 FX(外国為替証拠金取引)は、24時間取引ができるという点が大きな魅力の一つです。しかし、すべての時間帯が同じように活発なわけではありません。取引する時間帯によって流動性や価格の動きが大きく異なるため、適切な時間と取引量の影響を知ることが成功のカギとなります。
 この記事では、FX取引の主要な時間帯を解説し、それぞれの特徴や取引量から、FXトレーダーが見るべきものは何かについて詳しく紹介します。

1. FXの取引時間は24時間、でもすべての時間が同じではない

 FX市場は、株式市場のように1日の取引時間が限られているわけではなく、平日なら24時間取引が可能です。しかし、これには理由があり、世界中の主要な金融市場が時差によって異なる時間帯に開いているためです。

 つまり、ニューヨーク、ロンドン、東京、シドニーの各市場が順次開いていくことで、常にどこかの市場が開いている状態が保たれているのです。

 しかし、すべての時間帯が同じように活発なわけではありません。市場が開いている時間帯や重なる時間帯によって、取引量や価格変動が大きく異なるため、それを知り、トレードのタイミングを選ぶことが重要です。

ダクちゃん

じゃあ俺はいつトレードするのがいいんだ?

アイちゃん

トレードスタイルは人それぞれだから、適切なタイミング知らないとね

2. 世界の主要市場と取引時間

 まず、世界の主要な取引時間とその市場の特徴を把握しておくことが大切です。以下に、主要市場とその取引時間を日本時間で紹介します。

  • 東京市場(アジア市場): 9:00〜18:00
     世界の取引量のうちの6%を占めます。

     東京市場は、世界で最初に開く主要市場です。主に日本円やアジアの通貨が取引されるため、ドル円豪ドル円などのクロス円通貨ペアがよく動きます

     価格変動は比較的穏やかで、流動性もそれほど高くないため、初心者にとっては安心して取引を始められる時間帯と言えます。

    レンジ相場が多いため、レンジトレード(レンジに入ったことを確認した安値で買い、高値で売るトレード)に適していますが、大きなトレンドは生まれにくいです。こちらも短期的なスキャルピングやデイトレードには向いていますが、大きな利益を狙うにはやや不向きです。

    スプレッドも比較的狭く、トレードコストが低いのも魅力です。

    経済指標の発表に注意し、特に日本の経済データが出る前後は警戒が必要です。
  • ロンドン市場(ヨーロッパ市場): 16:00〜1:00
     世界の取引量のうちの43%を占めます。

     ロンドン市場は、世界最大の外国為替取引市場であり、流動性が非常に高いのが特徴です。

     ロンドン市場が開くと、相場に大きな動きが見られることが多く、特にユーロドルポンドドルなどの欧州系通貨ペアが活発に取引されます。

     この時間帯は、価格が急激に動くことがあるため、デイトレードやスキャルピングなどの短期取引を行うトレーダーの主戦場となります。大きな利益を狙える側面、リスク管理が重要です。
  • ニューヨーク市場(アメリカ市場): 21:00〜6:00
     世界の取引量のうちの17%を占めます。

     ニューヨーク市場は、ロンドン市場と重なる時間帯があるため、非常に活発で価格変動も大きくなります。

     特に、アメリカの経済指標の発表があると、市場全体に強い影響を与えることが多いです。

     特に21時から24時頃が最も活発でボラティリティ(価格変動)が大きく、大きな利益を狙える側面、リスク管理が重要です。

     ドル円ユーロドルが特に注目される通貨ペアとなります。
  • シドニー市場(オセアニア市場): 7:00〜16:00
     世界の取引量のうちの2%を占めます。

     シドニー市場は、取引量が少なく、価格変動も小さい傾向にあります。

     主にオセアニア系の通貨ペア、例えば豪ドルドルやNZドルドルが中心に取引されます。

     これらの国々のファンダメンタルでトレンドが発生すると判断した場合、この時間での取引が取引量の多い通貨の影響を受けにくく、適しています

     また、流動性は低めですが、週明けのギャップ狙いなどでは注目されることがあります。

 それぞれの市場には特徴があり、取引時間によって流動性や価格変動が異なります。

 これを踏まえて、どの時間帯が自分に合った取引時間なのかを見極めましょう。

アイちゃん

FX初心者は東京時間で慣れていくのが安心ね

3.重なる時間帯(クロスオーバー)に注意!

 前章の各市場の取引時間が重なる「クロスオーバー」の時間帯は、特に流動性が高まり、価格が大きく動くことが多いです。

 この時間帯を狙って取引することで、一般にデイトレードやスキャルピングには有効とされます。

  • 東京市場とロンドン市場の重複時間(16:00〜18:00)
     東京市場とロンドン市場が重なる時間帯は、アジアとヨーロッパの投資家が同時に取引するため、ドル円ユーロ円などのクロス円通貨ペアが活発に動きます

    比較的安定した相場が多い時間帯で、比較的初心者にも取引しやすいです。

  • ロンドン市場とニューヨーク市場の重複時間(21:00〜1:00)
     ロンドン市場とニューヨーク市場が重なるこの時間帯は、FX市場の中で最も活発に取引が行われ、取引量がピークに達します。特に短期トレーダーや経済指標を分析するトレーダーにとっては絶好のチャンスです。

     ユーロドルやポンドドル、ドル円などが急激に動くことが多く、短期間で利益を狙える時間帯です。 
ダクちゃん

どうりで21時から値動きが荒くなるわけだ。。。

 取引する時間帯を選ぶことは、FXで成功するための重要な要素の一つです。初心者は、まずは相場が落ち着いている時間帯で経験を積み、徐々に取引に慣れていくことが重要です。

 また、取引時間帯だけでなく、自分のライフスタイルに合わせた時間管理も大切です。 

4. 通貨の取引量を知ることが大事

 前章においては、時間帯ごとの総取引量の割合からその特徴までを記載しました。

 次に、通貨の流通量の重要性について記載します。

 外国為替市場(FX市場)は、世界最大の金融市場であり、1日当たりの取引額が約6.6兆ドルに達します。市場では様々な通貨が取引されており、すべての通貨が均等に取引されているわけではありません。取引量には大きな偏りがあります。
 この記事では、各種通貨の取引量の割合を示し、それがどのように取引に影響を与えるのか、またその情報をどのように活用すべきかを解説します。

アイちゃん

ダクちゃん、米ドルを無視してメキシコペソ円のトレードしてない?

ダクちゃん

ええ!?その通貨ペアに米ドルは関係ないんじゃないの?

4-1. 各通貨の取引量の割合

 FX市場で取引される通貨の中でも、圧倒的な取引量を誇るのは「米ドル(USD)」です。これは、国際貿易の決済や世界各国の中央銀行による準備通貨として広く使われていることが大きな理由です。

 また、主要通貨(メジャー通貨)は取引量が多く、流動性が高い特徴を持っています。

 以下に、2022年のBIS(国際決済銀行)の調査結果(3年に一度発表される)に基づく、FX市場における各通貨の取引量割合を示します。

Screenshot

米ドルが全体の44.2%を占めています。
通貨ペア(通貨の組合せ)では、対米ドルの取引は全体の約88%です。

 ここで大事になってくるのは、米ドルの影響がいかに市場を左右するかを知ることです。

 つまり、ポンド円やそれ以上のマイナー通貨の分析は、ファンダメンタル的にも特にテクニカル的にも主要通貨から離れれば離れるほど、大きくいうと意味をなしません

 必死にチャート分析を行っていても、ポンドドルなど他にもっと影響力があって世界のトレーダー達が見ているチャートを優先しなければ、木を見て森を見ずという分析になってしまいます。

 トレーダー達の市場心理を分析した手法であるテクニカル分析は、影響の大きい通貨に引っ張られやすいということです。

 特に市場の約60%を占めるユーロドルは、世界で最も多くのトレーダー達の影響を受けるので見るべきチャートです

 しかしながら私たち日本人にとって、情報を掴みやすい円もそれなりに影響はあり、メリットを享受するとドル円は長期的に見て戦いやすい戦場になります。

 また、例えば取引量の多いドル円が下落中に下落の抵抗線に達すると、円は他の通貨でも反発する可能性が高くなります。

ダクちゃん

ドル円で円がこれ以上に下がりにくい時は、他通貨でも円が強いのか

アイちゃん

そういうことね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

 取引時間の特徴を知り、トレンドやライフスタイルに合わせたトレードを行う参考になればと思います。

 テクニカル面においても、ランダムウォークだと感じたり相場と合わないと感じた時、本当の意味での表ではさらに重要なサイン(抵抗)が起きているかもしれません。

 また、流動性の高い時間帯で取引を行うことは、トレーダーにとって大きなメリットがあります。スプレッドが狭くなるため取引コストが低くなるほか、価格の変動が大きくなるため、短期間での利益を狙いやすくなります。

 特に、流動性が高い時間帯でのトレンドフォロー戦略やスキャルピングは、取引で効果的と言われています。

これらはいかに日々発表される米国の経済指標が大事かを物語っています。

ダクちゃん

つまりどんな通貨ペアで取引していても、経済指標って大事なんだな

経済指標のデータを分析することの重要性は、以下の記事より↓

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皆様の利益を願っております。

DAKURA

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