今回はPPIの構成データからの予測となります。
ブログを立ち上げたばかりで本日発表のPPIということもあり、急足で説明します。後にリライト記事を出します。
PPIについて
PPIは、生産者が出荷する財やサービスの価格変動を示す経済指標であり、消費者物価指数(CPI)の先行指標とされています。米国労働省労働統計局(BLS)が毎月発表しており、主に製造業、エネルギー、食品、サービスなどの各部門での価格変動を示します。
🟡PPIの予想は同値もしくは鈍化の可能性があると私は見ています。構成データとしては比重的にも鈍化を示します。前回はサービス価格の低下が著しく、コアを押し下げ、総合ではモノ(財)が上昇していたので相殺した結果でした。ただISMも仕入価格は結果:57.3 予想:56.0 前回:57.0と伸びていますし新規受注も結果:53.0 予想:51.9 前回:52.4と強いのでマチマチではあります。難しい内容です。
構成データを紐解き
1. エネルギー価格
エネルギー、特に原油や天然ガスの価格はPPIに大きな影響を与えます。これらの価格が上昇すれば、生産コストが増加し、それが製品価格に反映されます。特に、PPIのエネルギー関連項目が高いウェイトを占めているため、これらの市場動向を観察することは重要です。
原油価格
8月の原油価格は乱高下しました。平均化すると前々月よりわずかに下がる内容。直近の原油の急落は今回のまだ影響していません。原油はエネルギー価格の変動に直結し、PPI、CPI共に強く影響します。 特にエネルギー関連の価格はPPI、CPI共に全体の中でも大きなウェイトを占めており、原油価格の上昇は、輸送コストや生産コストを増加させ、消費者に転嫁される可能性が高いです。
天然ガス
続いて天然ガス。こちらは直近こそ上昇にあるものの、依然として低いです。構成データからすると比重的にエネルギーは次回以降の下げの方が強そうです。CPIの内訳もエネルギーはやや下落程度でした。
2. 商品価格指数
原材料や農産物など、各種商品価格指数もPPIに直結します。例えば、金属や農産物の価格動向が生産コストに直接影響し、それが生産者物価に反映されます。国際的な商品価格指数(CRB指数など)の動向をチェックすることで、PPIの変動を予測できます。
7月に比べると明らかに8月の方が商品価格指数が低いです。これはインフレを鈍化させる材料です。
3. 需給バランス
製造業やサービス業における需要と供給のバランスもPPIに影響を与えます。需要が強ければ生産者は価格を引き上げる傾向があり、供給が不足している場合も同様です。業界レポートや統計データを通じて需給バランスを把握することが重要です。
ここでは変数が多く、それだけで長文のブログ記事になるので今後、別の投稿にさせてください。
4. 労働市場の動向
生産者のコストには、労働力のコストも含まれます。失業率や賃金の上昇が進めば、企業はそのコストを最終価格に転嫁する可能性があり、これがPPIに反映されます。労働市場データ、特に賃金の動向は重要な予測材料です。
直近こそ大きく前月比で上昇、前年比でも増加した賃金上昇ですが、こちらは全体的に緩やかに鈍化しています。鈍化が緩やかで大きな影響は確認しにくいでしょう。
5. 輸入物価
多くの国で輸入品は国内生産に組み込まれるため、輸入物価の動向もPPIに影響を与えます。特に、輸入コストが上昇すれば、それが国内製品の価格にも波及します。為替レートや国際的な貿易統計も考慮すべきです。
輸入物価指数も上昇。それほど大きく上がっていませんが、これまで直近2ヶ月の下落に比べると上昇圧力はあります。 アメリカは日本ほど輸入に頼っていませんが、国内物価にも影響を与えます。特に為替レートの変動や国際的な原材料価格の変動が大きな影響を与えます。
6.為替レート
為替レートに相当するドル指数は8月大きく下がっています。こちらはCPIを押し下げる材料。
まとめ
いかがだったでしょうか。PPIに影響してきそうなデータは、落ちきっていないけれどマチマチなデータが多く、大きな変動はないかもしれません。総合の予想値が0.2→0.1に変わったのも前日のCPIの内訳もあります。
また狙えそうなデータを今後も確認していきましょう。
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