本日発表されるのPCE(個人消費支出)は、FRBの金融政策決定に大きな影響を与える重要指標です。前回の結果と最近の経済動向を踏まえ、市場はインフレの更なる鈍化と消費の底堅さに注目しています。本記事では、PCEデータの予測と、その経済および市場への潜在的影響を分析します。
本記事の予測方法は、こちらの記事に則って行なっております。
データの信頼性を確認し、今後の予測に役立つ内容となっておりますので一読いただけるとPCEを深く知ることができます。
本日の予想値は総合の下落とコアの上昇
本日の総合の予想値は総合で前回を下回る数値です。また、コアに関しては5月発表以来の数値まで上昇しています。
これらの整合性について分析します。
PCEの大まかな構成要素3つ
PCEは、主に以下の3つの大きなカテゴリから成り立っています。
- 財とサービスの消費支出
- 耐久財、非耐久財、サービスの内訳
※耐久財=自動車、家電製品などの長期消費 非耐久財=衣料品や日用品などの短期消費 - 食品、エネルギー、その他の項目別支出
まずは米当局のデータから確認していきましょう。
不用品に含まれるのは食品や医療などの項目で、非耐久財に含まれます。傾向として、増加がやや緩やかです。これは、すべてのカテゴリーを含むPCE総合の下落を手伝っているように考えられます。
しかしながら、その他の項目は増加傾向にあります。全体的にも言えることですが、個人の消費支出は活発です。
消費者物価指数からのPCE予測
CPIは PCEより早く発表されるため、重要な先行指標となります。消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定する重要な指標です。
特に変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIに注目します。耐久財と非耐久財の両方のセクターを含みます。
こちらも数値上は総合が大きく落ちていますが、コアは高止まったままです。これはPCEの予想のままを表しています。
生産者物価指数からのPCE予測
PPIはCPIの先行指数として、次に重要な生産者側の物価です。企業間で取引される商品・サービスの価格変動を測定します。
CPIとほぼ同時期に発表され、より早い段階でインフレ圧力を把握できます。こちらも、CPIと同様に耐久財と非耐久財の両方のセクターを含みます。
こちらも同様の結果です。コアに関しては高止まり、影響の大きい前月比では0.3ポイントの上昇と、上昇幅が大きいです。PCEが前回より高くなっている予想はCPIとPPIの両方からも見て取れます。
小売売上高からのPCE予測
小売売上高は、特に非耐久財部門に強い影響を与えます。
消費者がどれだけの金額を支出しているかを示すこの指標は、PCEにおいて非耐久財セクターの動向を占う上で重要です。
小売売上高に関しても、前々月が強かったにも関わらず、前月比の結果はプラスです。高かったコアが更に高くなっていることがわかります。
PCEの構成データから速報値を予測
いかがだったでしょうか。
私としては、今回のPCEは発表されている予想値の通りという結果だと思います。
FRBとしては個人消費が強いというのは、インフレを示唆してしまい利下げを積極的に行えない数値です。しかしながら、経済としては消費が活発に残ってあり、利下げは段階的に行われながらも消費が堅調な米国の強さを改めて知ることになります。
本日は自民党総裁戦で石破氏が選ばれたことから政治的な要因でドル円が乱高下しており、ポジションが困難ではありますが、参考になれば嬉しいです。
皆様の利益を願っております。
DAKURA