米CPI(消費者物価指数)の構成要素分析と前回ドル円1分足から次の値動きを狙います
今回はCPIは総合指数が大きく下落する予想がされています。コアは前回と同じ値です。
私は「CPIが前回を下回るものの予想以上の下落は難しい」と見ています。前回は速報後に、FOMCでの0.25%の利下げ確率が49.5%から54.5%に上昇しました。結果として乱高下した後にトレンドに従った円高へ向かっています。
今回は円安後の戻り売りが優勢になると分析しています。
構成要素を紐解き
PPI(生産者物価指数)
必ずしも直近重視ではないです。前回は全項目下振れ。但し結果の数値だけを見ればここ数ヶ月でやや上昇傾向です。生産者のコスト上昇が最終的に消費者価格に転嫁される傾向にあります。米の製造業比率は低いですが依然として重要です。
M2(マネーサプライ)
マネーサプライの増加はコロナ後の高インフレを助長させました。ピーク時よりは落ち込みましたが今年に入ってからはやや上昇傾向です。 長期的なインフレが心配されます。今はインフレ進行下ではなくM2の影響度低め。参考程度に。
賃金上昇率
賃金の押し上げはインフレを関連づけます。直近こそ大きく前月比で上昇、前年比でも増加した賃金上昇ですが、こちらは全体的に緩やかに鈍化。 これはCPIとしては鈍化材料。
平均時給を注目
原油価格
8月の原油価格は乱高下しました。平均化すると前々月よりわずかに下がる内容。
直近の原油の急落は今回のCPIにまだ影響していない。 原油はエネルギー価格の変動に直結し、CPIに強く影響します。
特にエネルギー関連の価格はCPI全体の中でも大きなウェイトを占めており、原油価格の上昇は、輸送コストや生産コストを増加させ、消費者に転嫁される可能性が高いです。
住居費
前回は住居費が前月比で0.4%も上昇していたのでこれが前回CPI上昇分の90%を占めていたので今回最も注目したい数値。
住宅価格指数は下落している。実態調査数の多い右がこれまで前月比マイナスを示したのは大きい。
これがなければ上振れ予想でしたが、全体的なCPIをここまで押し下げる予想の構成材料。 特に家賃や住宅ローンの支払いは、消費者支出の大きな割合を占めており、住宅市場の動向がCPIの将来の動向を予測するうえで重要です。(investingより画像スクショ)
小売売上高
小売はとても強く上昇しました。特に総合。変動が激しい自動車を抜いた項目。内訳は幅広い項目で上昇しました。
消費需要が増加すると、それに応じて物価が上昇することがあります。
輸入物価指数
輸入物価指数も上昇。それほど大きく上がっていませんが、これまで直近2ヶ月の下落に比べると上昇圧力はあり。
アメリカは日本ほど輸入に頼っていませんが、国内物価にも影響を与えます。特に為替レートの変動や国際的な原材料価格の変動が大きな影響を与えます。
為替レート
為替レートに相当するドル指数は8月大きく下がっています。こちらはCPIを押し下げる材料。
現在の利下げ見込み
構成比率の分析は以上です。構成比率は状況によって変動しますが、総合が2.9%から2.6%へ下がる見込みの予測値は頷けます。しかしながら下落幅としては構成要素の上下の材料と重要度の比率から、それ以上を考えるのは難しい。つまり下より同値か上振れを見込んでいます。
現在のFRDの利下げ予想見込みを見ていきます。
65%の0.25%利下げを織り込んでいます。
これは高いですがまだまだ0.5%を十分に期待しています。というより、期待が過度だと思います。こちらも前回に似ています。
ドル円の1分足から次の狙い方
次に前回のドル円1分足です。
大きく45銭ほど円高になった後、全戻ししてさらに50銭ほどの円安となっています。そしてその後はまた円高方向へ向かっています。前回は先行指数のPPIが下振れていたのでCPIも下振れる期待が高かったのもあると思います。
ですので今回も前回結果を下回るものの予想よりは上で円安方向の可能性を残します。
0.25%の利下げ予想はさらに上がるかもしれません。
しかしながら円高へのトレンドは依然としてあり、円安を戻り売る期待値はあります。
ドル円が現在差し掛かった抵抗ラインは最高値からつづく下落ライン。
ここで日足を髭で戻すか実体で下の抵抗線を割って継続するかの段階に入りました。
141.8~142.1円が上値の抵抗と切り替わりそうです。戻り売りのラインの参考になりそうです。
まとめ
今回は構成要素の比率から本日のCPI予想を書いた記事になります。
利下げ織り込みと1分足に注目し、狙えそうなポイントについて記述しました。
皆さんの円安、円高見込みから取れそうな値幅のラインを考察する参考になれば幸いです。
経済指標の構成要素内訳から予想まで、記事を増やしていきます。初心者さんにとってもわかりやすいように、結論を重視した内容で書き進めていきます。今後ともよろしくお願いします。
本記事の予測に確実性はありません。あくまで参考です。CPIはこのような内訳で結果が出てくるんだと理解を深める内容です。ご注意ください。